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45~60馬力トラクターに適合するディスクハロー『クサナギ』が新登場!

秋耕(秋すき込み)を諦めていた中小規模生産者にも朗報だ!

 人手不足が常態化し、さらに米価の低迷や燃料費、農業資材が高騰している昨今、〝農作業の効率化〟に頭を悩ませている中小規模の生産者は少なくないはずだ。広く普及しているロータリー作業機は、丁寧な作業こそ可能だが作業速度が遅いうえ燃料費も掛かる。爪の交換作業の手間やそのコストも悩みの種だろう。「秋耕のメリットは理解しているが、作業に追われて時間的余裕が…」と諦めていた中小規模の生産者が多数派ではないだろうか?
 そんな耕耘作業を圧倒的に効率化してくれる新製品が三菱農業機械から発売された。
それが45〜60馬力の中型トラクターに適合する新型作業機『クサナギ』だ。
 そこで今回は、『クサナギ』の開発経緯から、その効率性や燃費といった実用性、それに『クサナギ』が実現してくれる農作業における時間的余裕の作り方と〝秋耕〟などのメリットをご紹介しよう。

中小規模の生産者の要望に応えてディスクハローを自社開発

 三菱農業機械のディスクハローといえば、ヒサルラー製『ラバータイプディスクハロー』を思い浮かべる方が多いはずだ。2020年に輸入販売が開始された『ラバータイプディスクハロー』は、ロータリーと比較して圧倒的な作業速度と耕耘性能、低燃費を誇ることから、北海道を中心に大規模生産者に人気が高い。
 ところが、この『ラバータイプディスクハロー』には唯一弱点があった。それは80馬力以上の大型トラクターのみに対応する、ということ。大規模生産者には非常に高く評価をされているものの、日本において多数派である中小規模生産者が使用できないのだ。三菱マヒンドラ農機の越智充宏さんが教えてくれた。
「大規模生産者さんの間でヒサルラー製品の認知が広がるとともに、当社に中小規模生産者の方々から『手頃なサイズのディスクハローが欲しい!』という要望が多数寄せられました。畑作の方はもちろんですが、担い手不足の昨今ですから、耕耘作業を手早く行いたいという稲作の方々からのご要望もたくさんありました。
 そうしたお客様の期待に応えるべく、自社開発した45〜60馬力の中型トラクターに対応するディスクハローが、この『クサナギ』です。
 製品名の『クサナギ』というのは、三菱マヒンドラ機械の本社がある島根県ゆかりの日本書紀に登場する名刀『草薙剣(くさなぎのつるぎ)』に由来します。今なお語り継がれる名刀のように、『クサナギ』も末永く中小規模生産者さまの力になれる名品に仕上がったと自負しております。」

10時間(1日)で耕耘できる面積を比較すると、ロータリー作業機2.9haに対して『クサナギ』は13.3ha。10ha耕耘時の燃料消費量は、ロータリー340Lに対して『クサナギ』は65L。効率は4倍以上、燃料消費量は1/5である。

黄緑色が『クサナギ』でグレーがロータリー。『クサナギ』は秋耕を手際よく行うことができるだけでなく春耕にも使える。圃場や残渣の状況によってはクサナギを2度掛けしてそのまま代掻きでも良い。圃場に応じて効率的な作業体系を構築しよう。

秋耕を行うことで稲株等が好気性微生物により分解され、翌春には地力窒素として利用できるから肥料代節減に役立つほか、ワキ防止=初期成育不良の予防や、メタンガス発生抑制といったメリットもある。

高速作業で高効率×低コスト!諦めていた稲作の“秋耕”を実現する

お話してくださったのは、三菱マヒンドラ農機の越智充宏さん。「高効率&低コスト農業を実現する『クサナギ』は、中小規模生産者さんの『儲かる農業』をサポートします!」

 『クサナギ』を分かりやすく表現すれば〝中型トラクターで使うことができるディスクハロー〟である。ディスクハローとは、けん引型耕耘作業機のこと。作業機の自重により搭載している円盤(花形大径ディスク)により土壌と残渣を切るように耕して行く。作業にPTOを使わないため、圧倒的な作業スピードと低燃費を誇る。中小規模生産者が多用している45〜60馬力のトラクターに対応するのがポイントだ。
 畑作はもちろん、稲作の〝秋耕〟のほか、緑肥や残渣のすき込み、耕作放棄地の耕耘など、多用途に活躍する。
「一般的なロータリー作業機と比較して、作業効率は4倍以上、燃費は1/5以下を誇ります。『クサナギ』があれば、これまで人手不足や時間的制限等で諦めていた〝秋耕〟を実施できるようになる生産者さんが増えると期待しています。また、『クサナギ』の大径ディスクは耐久性が極めて高いので、ロータリー爪の交換作業のような手間が掛かりません。」と越智さんは力を込める。
 水田の〝秋耕〟の実施をお勧めするのにも明確な理由があるようだ。
「水稲を例にとってお話しますと、収穫を終えた秋のなるべく早いうちに耕耘を行うと、冬の低温期に稲株や雑草などが春までに好気性微生物により分解されます。これにより地力窒素として利用できるようになるのです。
 逆に〝秋耕〟を行わず田植の直前に耕耘すると、稲株が分解される時間が足りません。そうなると潅水後に嫌気性微生物により分解されることになる。それにより発生するガスが『ワキ』と呼ばれるもので、土壌が還元状態に陥っているサインです。こうなると根を痛めて初期生育不良の原因になったり、最終的には収量を減らす原因にもなります。ワキにはメタンが大量に含まれていますから、地球温暖化の原因にもなるんですよ。それを防ぐには〝秋耕〟が一番です。土壌分析を組み合わせることで、肥料費の削減にも繋がります。また、秋の忙しい時期にロータリー耕では時間が掛かり過ぎてしまいますし、ロータリー耕では土塊を細かく耕耘しすぎて雨天や雪で圃場が乾き難くなってしまうというデメリットもあります。ロータリーほど細かく耕耘しなくても分解はされるんです。
 『クサナギ』を活用してスピーディーかつ効果的な作業体系を構築して、儲かる農業を実現していただきたいです。」と語ってくれた。

ディスクハロー『クサナギ』
三菱農業機械が国内開発した、45〜60馬力のトラクターで使うことができる牽引型作業機が『クサナギ』。畑作、稲作における耕耘作業はもちろん、緑肥や残渣のすき込み、耕作放棄地の土づくりなど、多用途で使うことができる。

 ユーザーのニーズに応えるべく三菱農業機械が開発したディスクハロー『クサナギ』は、時間と経費を有効活用したい中小規模生産者に最適な逸品だ。耕耘作業を手際良く終わらせて自分の時間を持つことも、燃料費・肥料代を含めたトータルコストを浮かせて少し贅沢を楽しむことだってできるのだ。

文・川島 礼二郎


KUSANAGI MDH1820

ディスクハローとは
角度を付けた花形大径ディスクを牽引し、
高速で耕耘作業をする高効率作業機です。

ロータリーは強制駆動で土を掘り起こし均すのに対し、ディスクハローは自重を利用して土を反転させ整地を行うので、ロータリーと比較して効率的に耕起作業が行えます。
また、収穫後の残渣の根張を断ち切って表面に散らすので、土壌にすき込むよりも残渣物の腐食が進みます。さらに水稲の場合は秋耕を行うことでメタンガスの抑制も期待できます。

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