2023年10月8日、三菱農業機械が販売するトルコの農業機械ブランド“ヒサルラー”の累計販売台数1,000台達成を祝い記念セレモニーを開催。三菱農機販売の代表取締役社長、吉田康二さんが、記念品と副賞の旅行券を手渡した。「これからもお客様に寄り添い、お客様のニーズにかなった製品をご提案して、農業の発展の為にお客様と共に我々もチャレンジを続けてまいりたいと思います。」
三菱農業機械が2020年に発売を開始したトルコのヒサルラー製『ラバータイプディスクハロー』は、導入開始から3年で販売台数が右肩上がりで伸びている。2019年に発売された『ディープチゼル』と合わせて、早くも国内累計販売台数が1,000台を達成した。大型トラクター対応の作業機としては異例の大ヒット製品となり注目を集めているヒサルラー製品。SNSやYouTubeをご覧になる農業従事者の方であれば1度はその名を耳にしたことがあるのではないだろうか?その人気の秘密を探るため、ちょうど記念すべき1,000台目を購入したユーザーへの記念式典に合わせて帯広に向かった。
ヒサルラー製品のラインナップは、「粗起し」と「心土粉砕」を7~9km/hの高速で同時にこなす『ディープチゼル』(上)と、「浅耕」、「播種床の準備」のほか「除草」、「肥料・堆肥の混和」、「表層土の破砕」、「作物残渣・緑肥のすき込み」を高速で行う『ラバータイプディスクハロー』(下)の2機種。前者はチゼルが持ち上げた土塊を後部に設置されたスパイクローラーが細かく砕き、残渣物等をしっかりとすき込み鎮圧、作業跡をきれいに均平に仕上げる。後者はディスクハロー国内販売台数の4割を占める国内人気No.1製品。8~15km/hの高速作業が可能。従来ロータリー比で作業効率は約3倍、燃費は約6割減を誇り、圧倒的な高効率と低コスト作業を実現する。
国内累計販売台数1,000台目のヒサルラー製品を購入したのは、帯広市の北にある士幌町の野曽原隆さんだ。『ラバータイプディスクハロー』を昨年9月に購入して活用しているが、今回『ディープチゼル』を追加で購入した。野曽原さんの圃場は37 ha。有名スナック菓子の原料となる馬鈴薯(9ha)のほか、小麦(8ha)、てんさい(5ha)、スイートコーン(6ha)など6品目を奥様と二人で生産している。北海道ではこの位の面積を夫婦でこなすのは普通のことだと野曽原さんは語るが、それを可能にするためのチャレンジは欠かさない。効率化できる新しい機械には、これまで惜しみなく投資してきた。ヒサルラー製品はその象徴である。
「最初に購入した『ラバータイプディスクハロー』は、栽培しているすべての作物で収穫後に二度掛けしています。これで残渣を手早く確実にすき込みます。次が今回購入した『ディープチゼル』の出番だ。粗起こしと深土粉砕、そして均平化を同時作業で行います。ヒサルラーの前は他社製品のディスクハローを使っていたのですが、軽くてモロくて……買い換えました(苦笑)。ヒサルラーの『ラバータイプディスクハロー』は2列ある花形大径ディスクの取り付け角度が絶妙で、高速作業でもしっかりと残渣をすき込みしてくれます。ディスク自体の耐久性も非常に高いので安心なんです。作業速度と燃費の良さだけでなく、精度の高さが気に入った要因です。
実を言うと、うちはほとんど妻がトラクターに乗って作業しているんですよ。機械に乗る方が身体は楽ですからね、私は後方支援作業に専念しています。妻が少しでも楽になるならばと、良い機械や作業機があれば『買っちゃえ!』となるんです(笑)」
「昨秋、実演機の『ディープチゼル』をお借りて作業したのですが、作業精度の高さに惚れ込みました。自重があるからか「粗起し」と「心土粉砕」だけでなく、高精度に心土破砕の深さレベルを均平化できるのが魅力です。妻に相談して購入を即決しました。副賞の旅行券は、私の前に購入した999人のユーザーの方々のことを思うとご辞退すべきかと迷いましたが……妻が喜びますから大切に使わせていただきます」と満面の笑みだ。
先日、三菱農業機械は45〜60馬力の中型トラクターに適合する自社生産の小型ディスクハロー『クサナギ』の販売を開始した。これで高効率&低コストで高速作業ができるディスクハローを、小中規模の生産者さんも行えるようになる。三菱農業機械の『クサナギ』とヒサルラー製品が、これからも多くの農業従事者たちを笑顔にして行く。
文・川島 礼二郎
ヒサルラー ディープチゼル
ディープチゼルは、「粗耕起」と「心土破砕」を高速同時作業でこなし、後部に設置されたスパイクローラがチゼルで持ち上げられた土塊を細かく砕き、残渣物などをしっかりと鋤き込み鎮圧するため、作業跡はきれいに均平に仕上がります。高馬力トラクタまで対応する3段階の高さ調整可能な装着システムを採用。油圧ピストンで作業中でも簡単に耕深調整が可能です。
ヒサルラー ラバータイプディスクハロー
浅耕、播種床の準備、除草、肥料・堆肥の混和、表層の固い土を破砕、作物残渣・緑肥のすき込みを一度に高速で行え、作業効率の向上に大きく貢献します。従来に比べ、短時間で広い面積を耕起できるので、規模拡大のサポートや人手不足の問題解決にも一役買います。また、PTOを使用しないので、大幅に燃料を節約でき、コスト低減につながります。